土壌植物栄養学研究室同窓会「同窓会&セミナー」・「懇親会」開催報告

Date:2023.09.26


令和5年9月23日(土)16:30~20:30 札幌市厚別区 新さっぽろアークシティホテルを会場に土壌植物栄養学研究室同窓会の「同窓会&セミナー」・「懇親会」が2018年から5年ぶりに開催されました。当日前半は、黒沢記念講堂(13:30~15:30)において開催された「ホームカミングデー」に12名の同窓生が参加されました。終了後、移動し「同窓会&セミナー」・「懇親会」が行われました。
土壌植物栄養学研究室(旧土壌肥料学研究室)同窓会のOB・OG 80名余りの会員に呼びかけましたところ、熊本県菊池市の村田作氏や栃木県宇都宮市の齋藤達夫氏、宮城県村田町の平岡良一氏をはじめ22名の方々が参加くださいました。
Ⅰ「同総会&セミナー」では、
1.細田治憲会長からは「原田勇先生の研究室卒業生が何拾年経過しても、学生時代に教えを受けた事を忘れることなく心の中にしっかり生き続けている原田勇先生の証」についてと「原田勇先生の奥様の伝言」についてお話しくださいました。
2.特別講演「酪農学園大学の現状と未来」と題して、酪農学園大学 学長 岩野英知先生からご講演を頂きました。大学の現状と大学組織の問題、地域中核・特色ある大学強化促進事業、大学再編プランなどを熱く語られ、私たちは改革に向かう大学の姿勢に大きく心打たれた次第です。
3.「恩師原田勇先生の思い出」と題して、1969年度卒業の渡辺兵衛氏(前八雲教会牧師)がお話になりました。学生時代原田先生と一緒にせたな町に赴き、「人の寄せ付けない厳しい瀬棚の経験が在ったからこそ今の人生の原点になった」こと「学生時代忘れることのできない友人『洪 政国 氏』の生き方」を語られました。
4.「町議も歩けば棒に当たる」と題し、1978年度卒業の井澤敏郎氏(平取町議会議員)がお話になりました。大学には諸事情ため遅れて入学を果たし、人一倍の努力で研鑽を積み、卒業後は旭川市の大学で教育を担った後に平取町で営農活動を展開してこられました。現在は、町議会議員として平取町の課題に日夜奮闘活躍されているお話を聞き、平取町にとっては得難い人材であり、益々の発展を願う次第です。
5.「食育授業~未来の子供達のために」と題し、1987年度卒業の村田拓一氏(farm MURATA経営)がお話になりました。一念発起、脱サラ後、札幌市の食育理念「食を通して豊かな人間性を育む」に賛同して、地元札幌市新琴似で地域文化振興のために市立新琴似小学校の小学生を対象に「食育業」を展開しています。村田さんは「食のおいしさ・植物の成長に感動・農業の楽しさ・土の凄さ・食にまつわる地元の歴史・農食について会話して欲しい」を核に「学校と食育農家の結びつきや支援体制の確立及び地元産農作物の消費促進」を強くお話になられました。今後、この取り組みの継続と仲間づくりの拡大を願うばかりです。
6.同窓会の活動報告では、河野崇治副会長、須藤純一事務局長から報告がありました。
特に、須藤純一氏から原田勇先生翻訳の『土壌の環境保全』Hugh Hammond Bennett 博士 著の説明がありました。この著書は原田勇先生が1971年にWisconsin大学に留学時にBennett 博士の「Soil Conservation」をお読みになられ、「日本は今や、地球環境保全に向かい発信しなければ時に至っている。1940年代に米国は自国の環境破壊に苦悩し、それを解決していった。米国の底力がこの本に力強く漲っている。」原田先生は日本の土壌環境を憂える人々に捧げたいとの思いから翻訳に着手しました。2012年にご逝去なさいました。未完のまま事態を受け、本同窓生の須藤純一氏(農学博士)が原田勇先生の遺志を引き継ぎ原文の「図・写真・表を添えて、2018年8月」に出版に至りました。「人類への自然の贈り物の長いリストの中で、人間の生命にとって土壌のように全く不可決なものはありません」― Hugh Hammond Bennett ―
「懇親会」(18:40~20:40)は会場をハマナスに移し、開宴後しばし懇談の時を過ごし楽しいひと時となりました。懇親会では学長であられる岩野英知先生からご挨拶を頂きましたし、途中から安宅一夫先生(酪農学園大学名誉教授)がご参加され、懇親会は増々盛況となりました。近況報告では、22名全員がマイクに立ち現在の生活の様子をお話になりました。
同総会では特に若手の大石美雪氏、佐倉肇氏、池田道弘氏、村上豊氏、米澤啓子氏、村田拓一氏、小山田文枝氏の熱い想いが伝わり、事務局として土壌植物栄養学研究室同窓会の開催に漕ぎ着けられましたこと、本当に良かったという思いでおります。
また、西川求氏の紹介で本会に参加されました生出真知子氏(故生出正美氏夫人)が近況報告をなさいました。
同窓会&セミナー・懇親会終わりにあたり「想い」
今回、残念ながら出席いただけなかった同窓生の方々の想いにも心寄せながら、報告に替えさせて戴きます。どうか皆様一人ひとりが命を大切にし、日々のご健康とご活躍を祈念しつつ本会の報告を終えます。(記載担当 土壌植物栄養学研究室同窓生事務局 1971年度卒業 干場敏博)